「フェンディ(FENDI)」が10月にミラノで発表した2019年春夏ウィメンズコレクションは、サイクリングパンツやブラトップを取り入れたスポーティーなスタイリングが目をひいた。直球のカジュアルとしてスポーツを表現するのではなく、レザーや手の込んだ刺しゅうなどのエレガントな要素と組み合わせることで、大人の女性も楽しめるようにしていたのが印象的だ。バッグやシューズなどの雑貨でも、スポーツムードを上質にこなしたデザインが充実している。1990年代に一世を風靡したバッグ、“バゲット(BAGUETTE)”の新デザインが豊富に登場している点も話題となっている。
さまざまな素材で“バゲット”を企画している。90年代にヒットしたのは小さめサイズが中心だったが、それに比べるとやや大きなサイズの提案が多い。いち押しは、パステルカラーとFFロゴを組み合わせたデザインの“バゲット”だ。ソフトなナッパレザーに、エンボス加工によってFFロゴを浮き上がらせ、綿を挟み込むことでダイバースーツに使うネオプレン素材のようなタッチにしている。スポーティーな感覚に仕上げることで、90年代の“バゲット”ブームを知らないミレニアル世代にもアピールする。日常で使いやすいデニム素材や、手の込んだ刺しゅうなどのデザインもそろう。
FFロゴをエンボス加工したシリーズでは、新型としてボストンバッグも出している。上下が逆さまになったようなデザインのクロスボディーバッグは、ストラップを付け替えて、ウエストバッグとしても着用ができる。
ここ数シーズン、バッグにカバーをかけてイメージを変える提案がさまざまなブランドで増えている。「フェンディ」もアイコンバッグの“ピーカブー(PEEKABOO)”でカバーの提案を行っているが、今季はアウトポケットがたくさん付いたカバーに注目だ。ポケットの一つ一つに、“PHONE(電話)”“COINS(小銭)”“OTHER(その他)”とロゴが入っていて、荷物が多い人でも仕分けがスムーズ!ネオンカラーのネオプレンを使ったポップなカバーもある。バッグ本体にアウトポケットが付いたデザインや、ストラップにポケットが付いたデザインの“ピーカブー”もある。
2018年春夏にヒットしたPVC素材のバッグは、19年春夏も引き続き支持を集めそう。レザーを組み合わせることで大人っぽい表情に。
シューズは、スポーティーなネオプレンやメッシュなどをパッチワークしたパンプスやフラットシューズが豊富にそろう。パンプスはスクエアトウのレトロな形が中心。そこに直線模様などを載せることで、少しだけフューチャリスティックな感覚も表現する。
花をそのまま身に着けるような、カラフルなエナメル加工のピアスやチョーカーなどを企画した。ブラトップやメッシュスカートなどのスポーティーなスタイルに花のジュエリーを組み合わせることで、女性らしいエレガントなムードをプラスする。