夏の着こなしヒント満載

メンズファッションの世界最大プレタポルテ見本市であるピッティ ウオモ。世界の名だたるブランドが出展しているだけあり、各国からファッション業界を牽引する洒落者たちが集うため、コレクション会場のスナップとは一線を画したリアルな最先端スタイルをチェックできる。今回は、2019年6月に行われたピッティ ウオモ96にてキャッチした、注目のストリートスナップを紹介!

毎年2月と9月に開催されるパリのテキスタイル見本市“プルミエール・ヴィジョン”において多数の出展があったことから、現在注目を集めているストライプ柄。2019年2月に開催された直近の会ではより細分化され、多色使い、イレギュラーなピッチのマルチストライプが特に多かった模様だ。そんな中、フォルテラを手がけるアレッサンドロ・スクアルツィ氏は、白×青×赤の3色で構成されたストライプ柄のジャケットをイチ早く取り入れてピッティに参戦。ジャケットだけでなくシャツやパンツなど、今季は様々なブランドからストライプ柄のアイテムが展開されているため、自分のスタイルに取り入れやすいアイテムを選んでコーディネートに組み込んでみては?

ダブルのブラックスーツに身を包んで闊歩する、人気ブランド タリアトーレを率いるピーノ・レラリオ氏をキャッチ。同氏愛用でお馴染みのカザールのサングラスとゴールドのチャームネックレスがよく日焼けした肌によく馴染みつつ色気たっぷりなアクセントに。ちなみにスーツはピーノ氏も着用しているブラックが今後の注目株。ビームスFやエストネーションといった人気セレクトショップでもこれから展開が増えていくようなので要チェックだ!

クタっとした襟元とゆるっとしたシルエットが特徴のポロシャツをボタン開けで着こなしてエフォートレスな雰囲気を醸した御仁を紹介。パンツにタックインしてきちんと感を演出することで、だらしない印象を感じさせない仕上がりに。イタリアのシャレ者達の十八番であるアズーロ エ マローネをコーデ全体で表現し、コントラストをきかせながら上品さをプラスしているのも見事だ。

スーツやジャケパンスタイルにスニーカーを合わせてハズしを効かせる着こなしは定着した感があるが、イマ逆に実践したいのはカジュアルスタイルに革靴を合わせたハズしテクニック。スニーカーブームがある程度の落ち着きを見せてきた今、新鮮な印象を作るなら革靴のハズしを取り入れてみるのも面白い。たとえば、こちらの御仁のようにカジュアルなウェアアイテムで構成した着こなしに革靴をセットした着こなし。ミリタリージャケットにチノパン、ネオンイエローのウェビングベルトを組み合わせたカジュアルスタイルにキルトタッセルローファーをセットしたメリハリのある装いが新鮮だ。ローファーや外羽根プレーントゥなどオンオフどちらも使える革靴なら取り入れのハードルも高くない。

パジーニ氏も取り入れるコロニアルカラーのドレススタイルはまさにイマが旬!
ここ数年、トレンドとして注目を集め続けてきたコロニアルカラー。今シーズンのドレススタイルは特にその流れが顕著で、ベージュやブラウンなど、コロニアルカラーのアイテムで洒落込んだ御仁が目に留まった。ピッティでは毎回、多彩な着こなしで我々を魅了するガブリエレ・パジーニ氏も今回、ベージュのスーツを採用していた。ネオンカラーのチェーンが付いたルイ・ヴィトンのベルト(サンチュール・シグネチャー)やBAPEとのコラボG-SHOCKをスタイリングに組み込むなど、異テイストの小物を処々に足したミックススタイルはパジーニ氏ならではだ。

ブラックを大胆に取り入れてモードなエッセンスをプラスするのがイマの気分。
昨シーズンは要所要所で取り入れるのが目立ったブラックだが、今シーズンは大胆に取り入れてモードなエッセンスをプラスするのが気分。こちらでピックアップしたWWDのスタイルディレクターを務めるアレックス・バディア氏も、そんなブラック使いを洒脱に実践した洒落者の内の一人だ。ブラック×ホワイトの大柄なストライプが配されたMA-1に黒パンツを合わせ、全体の7〜8割をブラックで固めることでモードな雰囲気を醸し出していた。モノトーンのみで構成すれば色合わせのハードルはそこまで高くないため、気になった方はまずは手持ちのアイテムでトライしてみてはいかがだろうか。

ミリタリーやドレス、スポーツなど様々なテイストをミックスして洒脱なコーデに仕上げたダニエレ・ビアジョーリ氏が足元にチョイスしたのは、Sacaiが2019年春夏コレクションで発表した話題性バツグンのNikeコラボスニーカー。ナイキの名作スニーカー“WAFFLE DAYBREAK”と”LDV”をハイブリッドしたデザインで、ヒール部分を大きくせり出したレトロフューチャーなルックスがイマの気分にピッタリとハマる。今後も別のカラーバリエーションで発売が予定されているため要チェックだ。

ペールトーンアイテムが注目を集める中、フレッシュな夏コーデを作るなら全身をペールトーンで配色してみるのもアリだ。こちらの御仁は白のスウェットTシャツに極限までブリーチしたジーンズを合わせてトーンオントーンを表現し、スニーカーもペールトーンを組み合わせたものをチョイス。夏らしく涼しげなムードを出すなら、こんなカラーリングを参考にしてみるのも◎

シンプルな無地Tシャツにネッカチーフやバンダナといった巻物を取り入れることで巧みにスパイスをプラスした御仁が今回のピッティウオモ96では数多くキャッチされた。ドレッシーなスタイリングに合わせやすいネッカチーフの人気作アルテアのディアマンテから、カジュアルなデニムスタイルにあわせやすいオーソドックスなバンダナまで選択肢は幅広いのでぜひチェックしてみては?

ドレスはダブルブレストをチョイスしてエレガントなムードを高めたスタイルに注目!
男らしいエレガントさを軽便に漂わせられるダブルブレストのジャケットを取り入れた着こなしが、スーツ・ジャケパンどちらのスタイルにも多く見られたピッティ ウオモ96。OTOKOMAEのスナップ常連者であるマルコ氏もダブルスーツで参戦し、インナーのシャツを着崩すことでキメすぎず抜け過ぎない按配にまとめていた。トレンドカラーど真ん中のブラウンを帯びたグレーの色味で新鮮さもひとしおだ。

ジャケットを羽織ったノータイスタイルにおいて散見されたのが、あえて襟を出した着こなし。PT01のディレクターを務めるドメニコ・ジャンフラーテ氏も実践しており、ホワイトのジャケットからテラコッタのポロシャツの襟を出すことで、強く華やぎを打ち出したジャケパンスタイルに仕上げている。ドレスシャツからポロシャツ、スキッパーなど襟付きのインナーであればチャレンジ可能なため、こんな襟のこなしで差をつけたドレススタイルを構築してみてはいかがだろうか。

スーツにスニーカーを合わせてハズしを効かせた着こなしは、まだまだ伸び代はあるものの日本でも徐々に浸透してきた感がある。ピッティウオモではもちろん当然のようにスーツとスニーカーを合わせ、瀟洒に装った御仁が多く見られ、各々が自分なりのスタイリングを表現していた。たとえば下のスナップでは、ネイビーのセットアップスーツにランニングスニーカーをセット。クロップド丈のボトムスを採用したスーツと相まってスポーティーな着こなしに仕上がっている。

夏至を過ぎ、夏も本格化してくると、涼しげな印象の開襟シャツが気になってくるという方も多いのでは?今回のピッティウオモでも開襟シャツコーデは多く見られたが、特に目立ったのは下のスタイリングで使用しているような柄モノ。華やかでリゾート感ある開襟シャツに身を包んだ洒落者が会場内を闊歩していた。着こなしにこなれ感を付与するなら、半袖でもシャツの袖をまくってアレンジを加えるのもイイ感じだ。

秋冬に引き続きプリーツを施した腰ゆるシルエットのパンツに注目が集まっている今シーズン、ピッティ ウオモではプリーツ入りのベルトレスパンツを穿いた洒落者の姿が多く見られた。ピックアップした御仁は、クリーンな真白のベルトレスパンツをボトムスにセットし、ウエスタンデニムシャツの土っぽさを払拭したコーデを構築。シャツをタックインしてスマートに着こなしながら、サイドアジャスターのシルバーバックルをアピールして男らしさを後押ししているのが◎

4ポケットといえばミリタリーやサファリテイストに良く見られるディテールだが、ピッティスナップ常連で今回も洒脱な装いで多くの目線を集めたロベルト・マラーロ氏が着用していたのは、テーラードジャケットにハイブリッドしたモデル。一般的なテーラードジャケットよりカジュアルで堅苦しい印象を与えないながら、テーラードジャケットならではのきちんと感もしっかりと携えている優れモノだ。御仁のスタイリングのようにドレッシーにキメるもよし、ラフな格好に羽織って休日コーデを構築するも良しと使い勝手バツグンのため、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか?